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2014/09/16

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"SR600x3" 第一弾「 FUJI:冨士」 Masahiko Mifuneチャレンジレポート

「何もなければ」
ひとつのSR600を48時間で走りきるのは可能だと思う。
そうであれば、48時間で走り切って24時間で移動と睡眠を行えば・・・8日間で完結できる、はず。

計画の段階で問題になったのは
1)3つの走る順番、そして2)拠点

1)は一番きついと言われている日本アルプスを最初にという声もあったが、標高の一番高いところにアプローチするのに、それだけ低酸素の影響が残りのSR600で出ないとも言えない。 過去にコロンビアの世界選手権に出場したとき、レース中に息が全然上がらずビックリしたことがあったが、しかししばらく慢性的に疲労が抜けないということもあった。 コロンビアの時は標高だけでなく、ウィルス感染したということもあるかもしれないが・・・ そのため日本アルプスは最後。では富士と北関東とどちらにするのか。 まずは最初にウォーミングアップというには過酷すぎるが、まずは富士を走って2番目に北関東という順番に。 富士はほぼキューシートなしでも走りきれる。精神的にも非常に楽だ。

2)の拠点だが、昨年以降SR600富士の際に利用しているサンホテル八王子にすることにした。 楠支配人が非常にいろいろとよくしていただき、私の活動に対してもサポートして頂いている。 チェックインやチェックアウト時間、部屋にバイクを持ち込んで掃除をする、ゆっくりできるように静かな部屋を用意してくれている、駐車場の確保などなど。 何よりも出発時や到着時にいつも気にかけてくださり、話が弾むのが嬉しい。 利用させてもらうようになって以降、楠支配人が自転車に興味を持ち始め、昨年のサイクルモードにも足を運ばれたり、最近では本気でリドレーの購入を検討されているらしい。 もし今後八王子界隈を拠点にサイクリングしようと考えている人がいたら、お薦めのホテルであると言いたい。

25日に八王子へ向けて車で移動。 先月からサポートしていただくことが決まったマツダさんから提供されているCX-5にて移動。 長距離移動を快適にしてくれるスカイアクティブシステムは、私のような年間に3万キロぐらいの走行距離に至るヘビードライバーには必須の車である。 そして燃費も良く、安定した速度で走っていれば高速道路利用でリッターあたり16キロ以上も可能、しかもディーゼルとなれば燃料代は同じサイズのガソリン車に比べて約半分。これは本当にありがたい。

夕方にサンホテル八王子に到着。 少しホテルで体を休め、26日0時にJR高尾駅をスタート。 スタート30分間前に到着し準備をしていると、自分の主催するマサヒコミフネドットコムサイクリングクラブのメンバーがわざわざお見送りに来てくれていてビックリ。 確か自宅は横須賀方面だったような・・・いったい何時就寝なんだ(-_-;)

雨は降っていないが軽くウェットコンディション。 湿度は高めで少し頑張るとインナーシャツはしっとりとしてくる。 8月後半に入って急に気温が下がり、夏はどこに行ったんだというような気候だ。 途中で何度かぱらっと雨に降られる。レインジャケットを着る?着ない? 悩ましい降りっぷり(笑) とんでもなく暑かったり台風の影響を受けることを考えると、快適と言える部類だろうか。

青梅を抜けると秩父の山中へ。 ここからは街灯も一気に少なくなり、山間部へと突入したことを感じさせる。 今回使用しているライトはキャットアイVOLT1200を2灯。 オールナイトモードでも巡航時に十分光量が足りるのが嬉しい。 下りでスピードが上がるときは、1秒間でより多く移動するので遠くまで視認する必要がある。 こんなときにはノーマルモードに切り替えて走る。 真っ暗な山岳(ダウンヒル)に行かなければノーマルモードでも十分事足りる明るさだ。

感覚的には約2秒先までを確実に視認できる性能があれば合格点。 ブルベやロングライドならロードレースのようなスピードで下ることもないので、峠の険しいところで最大30メートル先まで視認、VOLT1200のノーマルモードを使用すれば十分対応可能だ。 ダイナミックモードが必要だなと感じたのは、真夜中のビーナスラインのダウンヒルぐらいか・・・ ただダイナミックモードを使用すると連続使用時間が約2時間。約40時間強の走行時間の中でどの程度ライトが必要かを考えつつ、必要に応じて光量を切り替えて走行していく。

最初のPC1は山伏峠。 多分関東のサイクリストにはおなじみの峠なのだろう。 関西人にしてみれば何度訪れても新鮮な峠だ。 峠の看板は自分の背丈よりも低いところにあり、これだけでも十分ネタになりそうな峠だ。 2時38分到着、写真撮影をして下り始める。 昨年秋にはここで鹿と衝突。 正確にはコーナー直後で鹿を発見し、きっと鹿は逃げるだろうと鹿をめがけて走ったら、路面がウェットで鹿がスリップ。ん?鹿がスリップ?? こちらも避ける気なんてなかったら後輪が滑りながら鹿へ。 片手で鹿を押すような形でヒットしたのでバイクには全く被害なしだし落車もなし。 ただグローブが獣臭くてしばらくは補給食をヒットした左手で食べることができなかった。 今回はコーナー入口ごとにベルを鳴らしたり声を出したり。 それよりも路面がそれなりにウェットなので落車の方が心配だった。

秩父のコンビニで少し休憩。やはり湿度が高くて体にキレがない。 無理をして急にパフォーマンスを落とすのではなく、常に少し体力に余力を置いておくようにして走る。 長い距離、決して無理は禁物だ。

群馬県に入って妙義山が見えるころには曇り空も徐々に明るくなっていく。 湿度の高いウェットの碓氷峠、コーナー番号を見ながら徐々に頂上へと近づいていく。 頂上からはほとんど下ることなく軽井沢へ。 ここから浅間越えで渋峠アプローチの長野原へ一気に突き進む予定が、登り始めた途端に大雨。 とうとう天気は崩れ始めたか・・・ 少し様子を見ようとコンビニで朝食をかねて休憩。 携帯で天気情報を見て回復することはないことを確認。少し雨足が弱まったのを見計らってスタート。

浅間越え頂上ではバケツをひっくり返したような雨。雨宿りもできないし、しても仕方ない。ひとまず長野原のコンビニまで下る。 ダウンヒルはまるで川下り。轍を雨水がそれなりのスピードで流れている。 大津の交差点まで来ると雨足は少し落ち着き、補給を詰め込んでスタート。予定よりも約1時間ほど遅いペースか。 意図的に、余裕をもってのぺーだうダウンではなく、正直あまり余裕はない。 心拍数は低いのだが、逆にそれは上げることができない。 ならばこのペースで淡々を走り続けるしかない。 思ったよりも重く感じる体で急こう配の草津へ抜ける国道292号を登る。 そして草津を前に再び豪雨。 気温も思った以上に低く、北海道の時の低温の大雨を思い出しコンビニでビニールガッパを購入。 特にズボンを履くことでかなり体力を温存できることがわかった。 元ロードレーサーとしてはカッパズボンを履いて走るなんて経験はほとんどなかったので、これはブルベをするようになってから得られた貴重な経験だ。 ただビニールガッパだと、走り出してすぐにお尻は破れてしまうのだが・・・

白根山が火山活動の影響で通行時間規制中。 朝8時から夕方5時なので時間は大丈夫だが、火山活動をしているなと感じるような硫黄臭が漂う。 渋峠の石碑では天気が悪く誰もいない。 天気がいい時は石碑と一緒に写真を撮るのもはばかられるほどにたくさんの観光客だが、逆に誰もいないとちょっと怖くも感じられる。 14時32分頂上到着 登りきって長野側に目をやると少し陽がさしているところもあるようだ。 路面はウェット、慎重にスピードが出過ぎないように下っていく。しかし寒い・・・

下りきったPC4「道の駅 北信州やまのうち」ではまだ食堂が営業時間中。 明るいうちに少しでも走りたいという気持ちもあるが、寒さからか暖かくて手作りのものが食べたくて精神的にもきつく、せっかくなのでここで心身ともに温まれそうなカレーを食べる。

中野にまで下ると、なんと奇跡的?にも路面はドライ。そしてなんと陽が差し始めた。 菅平へアタックする前にまずカッパを全部乾かしたい。乾かさないと背中ポケットに入れるにしても冷たくなるし重い。

菅平の登りは過去3回走ってすべて雨。 それも雨雲なしからの雨・・・だから菅平は経験的に雨だと思って走り出したが、今回初めて頂上まで雨に降られなかった。 そう、頂上までは・・・

下っていくうちに突然の大雨。またかよ・・・ 下りでスピードも上がるのでライトもノーマルモードとダイナミックモードを組み合わせて下っていく。

上田でさらに激しく振ってきたので目の前にある吉野家へ飛び込む。 これはきっと神様が暖かいものを食べて休めと言っているのだと(笑) 約30分経過。雨はやみそうにないが、どうやら上田界隈だけに雨雲があるらしい。 その証拠なのか、西から走ってくるママチャリに乗った中高生は皆カッパも傘もしていなくてずぶ濡れ。 どうもあと3kmも行けばドライ??雨雲状況からすると嘘みたいだが「ここだけ」が雨のようだ。 走り出すと丸子に到着する前に路面はしっとりと濡れているものの星まで見えている。 この極端すぎる天気の移り変わりは何なんだ!! 友人からの情報だと、このあと美ヶ原からビーナスラインは雨雲もなく走りやすいでしょう、と。 丸子のコンビニで30分だけ仮眠し出発。 10時ごろにスタート

嗚呼・・・ 登りはじめるとどうやら雲の中か、急に霧雨のような感じで雨になる。 せっかく畳んだレインジャケットを着用。 実は丸子のコンビニで破れたカッパズボンを処分してきた。 もう降らないだろうという天気予報をもとにした判断で。 しかし・・・

美ヶ原頂上では霧雨以上のレベルで雨が降っている。 日付の変わった夜中1時40分に美ヶ原高原美術館到着。 真夜中のビーナスラインは本当に気持ちいいものじゃない。

下っているうちに睡魔と寒さに包まれる。 ホットコーヒーが欲しい。ホットコーヒー、ホットコーヒー、ホットコーヒー・・・ 呪文のようにホットコーヒーと唱えている自分が真っ暗の誰もいないビーナスラインを走っている。 どこだと売っているのだろうか。 途中の売店?もしくは売店?? 走っているとやはり霧ヶ峰までなく、なんども寝落ちしそうになる。

霧ヶ峰で一度小休止にする。 風もあり小雨。 建物を遮蔽物にして、ホットコーヒーを3本購入。 2本はお腹に入れて1本は飲み干す。 建物の陰に入り三角座り。風上に背を向けて座り胸元に口を突っ込んで呼吸すれば、下からコーヒーの熱気が上がってくるし、それを吸い込んで吐くから胸元から少しずつ温まってくる。 車山高原付近を越えるのは明るくなるまで待つことにして、しばらくここで仮眠することにする。

早朝5時半、目が覚める。こんな体制で寝ているのだから体中がギシギシしている。 そして6時ごろになると合宿中の大学生がランニングしていく。寒いのは俺だけか?半袖半パンなんて学生もいる。 気温は10℃ほどでウェットなのに・・・それを見ていると力がみなぎってくる。

朝6時半ごろ活動開始。 蓼科のコンビニは朝7時にはオープンするらしい。そこで朝食を確保しよう。 補給を接種後、スピードアップ。 女の神展望台、そして麦草峠と思ったよりもいいペースでクリアーできる。 野辺山の下り後、急に気温が上昇。韮崎では真夏の日差しに血液が沸騰しそうだ。

富士五湖へアプローチする芦川ではアイスクリームを補給。数時間前のビーナスラインではホットコーヒーの神に憑りつかれていたというのに・・・ 旧上九一色村の登り区間もスムーズに登り、過去最速ペースで芦川駅から若彦トンネルへ。

山中湖は明るいうちに到着したが、やはり(?)富士山を見ることができず。 実は過去3回チャレンジして、一度も富士山をここから見たことがない。 河口湖を通過する際、雲一つない絶景の富士山が広がっていたのに、たった10分ほどでいつの間にかどこにあるのかもわからないほどに雲に覆われてしまった。 目標42時間で走っていたペースも、雨の影響でかなりスピードダウンしていたが、なんとか42時間台もある!とほくそ笑んでいたが、道志みちでは完全に体力的に余裕なくスピードダウン。 雨そして高尾をスタートしてから3度目のナイトランとなったの道志みち、そして雨の相模から高尾駅までと結局ウェットコンディションが大半を占める後半の影響で44時間13分でフィニッシュ。

どんなに道を知っていて慣れていると言えど、決して一筋縄ではいかない。 渋峠は国道最高地点というだけあって決して楽ではないし、菅平の下りはほぼ毎回雨。そして何よりも真夜中のビーナスラインは本当に険しいし気が狂いそうなほどに吸い込まれていくような闇の世界。 もうこんなにしんどくて怖いことは二度とやめようと思いつつも、終わってしばらくすると再びチャレンジしたくなってくる。

今回のSR600x3で言えば、まだ1回目。 高尾の駅から小雨の中をホテルへ向けて移動。 あと27時間ほどで次のSR600、北関東が待っている。

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JR高尾駅を出発し、秩父の山へ。 約2時間半走ると山伏峠へと抜ける
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左手に妙義山を見ながら軽井沢を目指す。 碓氷峠に入るとPC2「めがね橋」がある
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軽井沢以降、天気は下り坂。コースは上り坂なのに・・・ 白根山への登りは草津温泉を過ぎるまで冷たい雨。 頂上付近は火山活動の影響で停止禁止。 走り続けるしかない
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国道の最高地点にある渋峠 2,172m 天気が悪いと夏なのに気温は13℃ほど寒い
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全行程の大半が、ただひたすら前を見てペダルを回すだけの行為
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夜中の2時近くに標高2,000m近い美ヶ原頂上 写真ポイントでも真っ暗で写らない。 そういう時にVOLT1200をフラッシュがわりにして撮影
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女の神展望台 名前は美しいが、ガスの中で景色はまったく見えない・・・